社内FAQが役に立たない理由3選
業務改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくうえで、情報共有の仕組みは組織にとって不可欠です。
その中でも「FAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)」は、ナレッジを集約し、社内の共通認識を高めるために効果的な方法の一つと言われてきました。
しかし実際には、「社内のFAQがあまり役に立たない」「結局、マニュアルや他の部署に聞いたほうが早い」という声をよく耳にします。
私たちReSMでは、さまざまなお客様の社内ヘルプデスクのアウトソーシング(BPO)やITサービスマネジメントの改善を支援してきました。その現場で共通して見られるのが、まさにこの「社内FAQの疲弊」という課題です。
本記事では、業務改善やIT運用改善を専門に支援を行ってきた視点から、「社内FAQが役に立たない理由」を3つに分けて深掘りし、そのうえで改善策をご提案します。
さらに昨今注目を集める「生成AIを活用したFAQ作成・運用」についても触れ、現状と今後の予想、そして課題をご紹介します。「自社のFAQ運用が機能していないかもしれない…」と感じている方にとって、具体的な改善・活用のヒントになれば幸いです。
社内FAQの目的は「探しやすさ」と「自己解決率」の向上
社内FAQのゴールは、情報を並べることではありません。社員が「自分で素早く、迷わず、正しい答えに辿り着ける」状態をつくることです。
問い合わせ数の削減は結果であり、社内FAQの目的は利用者の自己解決です。
現場では、同じ質問がチャットやメールに散らばり、担当者の稼働を圧迫しがちです。社内FAQはその迷子時間を削減し、業務スループットを押し上げる基盤になります。
大切なのは「①検索で見つかる」「②日常動線で出会える」「③常に最新で信頼できる」の3点を兼ね備えた設計です。
FAQの基本的な役割
社内FAQは、繰り返し発生する疑問を「最短距離で解決」に導くための仕組みです。社員が問い合わせ前に自己解決できれば、ヘルプデスク担当者は例外対応に集中できます。
企業や組織内では、たとえば以下のような活用目的が想定されます。
- 製品やサービスの使い方に関する問い合わせ対応
- 製品マニュアルを読むよりもFAQを見たほうが早く悩みを解消できる場合が多い。
- 社内手続きやシステム利用に関する確認
- 経費精算や人事制度、社内業務システムなどの操作方法をまとめておくと、問い合わせコストが減る。
- ナレッジの共有による業務効率化
- 部署間で共有しておきたいよくある質問をFAQとしてまとめることで、二重三重のやり取りを減らす。
FAQ・マニュアル・ナレッジの違いを整理する
同じ情報資産でも役割は異なります。混在させると探しにくく、運用も破綻しやすい領域です。
| 種別 | 目的 | 強み | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| FAQ | 即答性 | 短く結論先出し | 「いますぐ答えが欲しい」場面 |
| マニュアル | 網羅性 | 手順・前提の体系化 | 初学習・詳細確認・教育 |
| ナレッジ | 共有性 | 事例・ノウハウの再利用 | 改善事例、失敗学、Tips |
実務では、FAQから詳細が必要なときにマニュアルへ深掘りリンク、背景や判断理由はナレッジ記事へ導くと、迷いが減ります。
こうした導線の役割分担が、検索ヒット後の離脱を防ぎます。
DXが進む現代においては、FAQといった「形式知」を共有するだけでなく、各担当者にしかわからない「暗黙知」をどのように形式知化するかが問われます。
FAQはナレッジマネジメントの入り口とも言える存在であり、蓄積と更新をうまく回していくことで「組織が持つ強み」をより広く活用できる仕組みづくりにつながります。
まずは上位20件の質問から着手する
立ち上げ段階で完璧を目指すと、公開が遅れて効果が出ません。最初は問い合わせログの上位20件に絞り、確実に自己解決できる質で公開します。
例えば、半年分のメール・チケット・チャット履歴を集約し、件数×影響度(工数・リスク)で優先度を決定。テンプレに沿った公開を行います。
公開後は検索ヒット率や記事閲覧後の問い合わせ再発率を見て、毎月5件ずつ改善・追加します。小さく始め、運用で磨く前提にすることが成功の近道です。
社内FAQが機能しない3つの課題
多くの企業で社内FAQが定着しない理由は、システムやデザインの問題ではなく運用と設計の構造的欠陥にあります。
具体的には、①情報更新の停滞、②構成・表現のわかりにくさ、③利用者視点の欠如の3つが主要因です。
FAQを資産として活かすには、この三層構造を理解し、組織的な改善策を講じることが不可欠です。
課題1. 更新が滞り、情報が古くなる
FAQが陥る「放置状態」
FAQは「更新が止まった瞬間に価値を失う」仕組みです。
初期段階では熱意を持って作成しても、運用が始まると日常の忙しさに追われ、FAQの更新やメンテナンスが後回しになりがちです。その結果、古い情報や誤った手続き方法が掲載されたままになり、社内での信用を失ってしまいます。
特に、私たちが運用を支援している小売業や製造業など、素早い解決と正確性が同時に求められる領域では、FAQの陳腐化は単なる「不便」では済みません。誤った申請フローや古い手順が残存することは、顧客満足度の低下や業務リスクに直結します。
更新サイクルが回らない背景
FAQは、日々の問い合わせや変更事項に応じて更新されることが望ましいものの、そこに明確な「責任者」や「更新フロー」が定まっていないと、誰がいつ何を更新すればいいのかが曖昧になります。
さらに、情報管理のシステムやフローが整っていない企業では担当者任せになり、担当者が異動・退職すると更新ペースが落ちるなど、知識の属人化が生じやすくなります。定期的な棚卸しが仕組みとして埋め込まれていないと、「常に最新である」というFAQの品質指標を担保できません。
古い情報が業務に与える悪影響
情報の陳腐化は、業務効率だけでなくリスク管理上の問題も引き起こします。
古い情報が放置されたFAQは、社員が検索しても得られるのは「誤った情報」です。この状態が続くと、「FAQなんて使えない」「直接聞いた方が早い」という認識が広まり、結局はメールやチャットツールで同じ問い合わせが繰り返される結果となります。
たとえば誤った申請ルールが残ったままだと、経費精算の差し戻しや監査対応の負荷が増加します。FAQの更新は単なる情報整理ではなく、「誤情報による業務コスト増」を防ぐ内部統制の一環と捉える必要があります。
古い情報を見つけた場合は削除をためらわず、更新よりも削除の勇気を持つことが、長期的な品質維持につながります。
課題2. 質問と回答の構成がわかりづらい
FAQは、読まれて初めて意味を持ちます。構成や文章の統一性が欠けると、利用者は途中で離脱してしまいます。
よくある失敗は、質問文の抽象化・専門用語の乱用・冗長な説明文の3つです。
質問の意味がわかりにくいFAQ
質問の書き方が曖昧だったり、そもそも「何を解決したいのか」が不明瞭な場合、社員は「これって自分が求めている答えかな?」と判別しづらくなります。回答ありきで質問を作ったケースで起こりがちです。
また、「Q: ○○の設定方法を教えてください。A: △△機能を使って設定してください。」といった最低限の説明しかないQAも、実際には利用価値が低いものです。
回答が専門用語や略語だらけ
DXや業務改善の専門用語、社内の独自用語、部署ごとの略語などが頻出すると、特に新入社員や他部署メンバーにとっては理解が難しくなります。
専門用語ばかりで読むのが辛いFAQは利用者が敬遠しがちで、「結局誰かに聞いたほうが早い」という認識を生みやすくなります。
視覚的な工夫が不足している
テキストだけの説明では視認性が悪く、読みづらいFAQが多く見受けられます。
操作手順などを説明する際は、スクリーンショットや図解、動画などを活用すると理解度が高まるにもかかわらず、そうした工夫がないFAQは「どこを指しているのか分からない」と利用者に敬遠されがちです。
質問文の意図を汲み取れていない
FAQの質問は、利用者の行動や検索語を意識して設計する必要があります。
たとえば「経費の処理について」では漠然としすぎて、検索時にヒットしません。代わりに「経費精算の領収書をPDFで提出したい」など、具体的な動作・目的語を含めることで、検索エンジン(社内検索)にも引っかかりやすくなります。
質問文を設計する際は、社内チャットや問い合わせログから実際の発言を抽出し、社員の言葉をそのままFAQタイトルに活用するのが有効です。
課題3. 利用者視点が欠けている
FAQが「管理者の都合」で構成されると、利用者は迷子になります。たとえば、人事・総務・ITといった管理部門別に情報を分類しても、ユーザーは「目的(やりたいこと)」から探します。
つまり「勤怠修正をしたい」「パスワードをリセットしたい」といった利用者の行動軸で構造を設計し直すことが必要です。
FAQ作成の目的が管理者都合だけ
FAQを作成する際、「問い合わせ対応のコストを減らしたい」という管理側の思いが優先されるあまり、FAQを利用する社員側の視点が十分に考慮されないケースがあります。
そうすると、本当に知りたい情報が載っていないFAQになってしまい、結局は現場で使われなくなります。
FAQを探す導線がわかりにくい
社内FAQが使われない最大の理由は、「探しても見つからない」ことです。FAQを成功させる鍵は、見つけやすさの設計です。利用者が「どこからアクセスすればFAQに行けるのか」が明確である必要があります。
たとえば社内ポータルサイトのトップからワンクリックでFAQに飛べるような設計、またはシステムのヘルプ画面から直接FAQにアクセスできる導線が重要です。
検索窓の有無やカテゴリ分けの適切さも大切ですが、これらが整備されていないと結局FAQが形骸化してしまいます。
フィードバックループが存在しない
社員が「ここの説明が分かりにくい」「この質問も追加してほしい」と感じても、それを迅速に反映する仕組みがなければFAQは改善されません。
FAQの閲覧数や検索キーワードをモニタリングし、足りない情報や誤解されやすい情報を特定するPDCAサイクルがないと、長期的に見て使い物にならないFAQになってしまうおそれがあります。
効果的な社内FAQを構築する基本プロセス
社内FAQを成功させるには、「集める → 設計する → 作る → 配置する」というプロセスを明確に分け、各段階に責任者とルールを設定することが重要です。多くのFAQが失敗するのは、この4工程を曖昧に進めてしまうためです。
単なる情報整理ではなく、再現性のある仕組みとして定着させることが成果を左右します。
複数チャネルに散らばる質問を整理・統合する
FAQ構築の第一歩は、素材となる質問データを正しく集約することです。
メール、Teams、Slack、問い合わせフォームなど、質問チャネルが分散している企業は少なくありません。そのままでは同じ質問が何度も登録され、FAQの冗長化を招きます。
まずは過去3〜6か月分の問い合わせログを一元管理し、代表的な質問を抽出します。このとき、各質問の発生件数・対応工数・発生部門などを記録しておくと、後の優先順位付けが容易になります。ツールとしては、ExcelやGoogleスプレッドシートでも十分対応可能です。
質問を整理する際は、質問文の粒度と回答可能性を揃えることも大切です。「VPNがつながらない」と「VPN接続の設定方法を知りたい」は異なる質問です。FAQは回答可能な単位で分割・統合し、検索性を損なわない範囲で整理することが品質向上につながります。
この時点では完璧を目指さず、「まずは集めて見える化する」ことを意識しましょう。
検索しやすい情報構造を設計する
FAQの使いやすさを決める最大の要素は、構造設計です。
どれだけ多くの質問を集めても、分類と導線が曖昧では社員は目的の情報にたどり着けません。構造設計の基本は、利用者の語彙を基準にカテゴリやタグを設けることです。たとえば業務行動ベースの分類軸を採用すれば、現場感覚に合った検索結果を得やすくなります。
FAQが膨らむと、カテゴリ階層が深くなりがちですが、3階層以上は避けるのが理想です。
階層を浅くする代わりに、タグと同義語登録を活用して横断的に検索できるようにします。たとえば、「交通費」と「経費交通費」を同義語登録すれば、検索漏れを防げます。
分類設計の例:手続き内容・対象者・システム名
整理の際は、次の3軸を組み合わせると、柔軟かつ維持管理しやすいFAQ構造になります。
| 分類軸 | 目的 | 例 |
|---|---|---|
| 手続き内容 | どんな操作・行動か | 勤怠修正、経費申請、パスワード再発行 |
| 対象者 | 誰のためのFAQか | 新入社員、マネージャー、情シス担当者 |
| システム名 | どのツールに関するものか | Office365、Google Workspace、勤怠管理システム |
この3軸を固定してルール化すれば、新規追加・削除時の整合性が保たれ、長期的に安定した運用が可能になります。
理解しやすい回答テンプレートを整備する
FAQの回答文は、書き手による表現のばらつきを最小化し、誰が読んでも同じ理解にたどり着けるように設計します。そのための基本が「テンプレート化」です。
最も汎用的で再現性の高い構成は、以下の型です。
前提 → 結論 → 手順 → 補足
- 前提:どんな状況の質問なのか
- 結論:どうすればいいのか
- 手順:具体的にどう操作するのか
- 補足:例外や注意点など
この順序に統一するだけで、読み手は内容を一瞬で把握できるようになります。
さらに、FAQごとに更新日・担当者・参照元を明記し、透明性を担保します。回答者が異動しても、履歴と責任の所在がわかる状態を維持することが、運用継続性の鍵です。
Q&Aテンプレートの基本構成
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 質問 | 経費精算の領収書はPDFで提出できますか? |
| 回答 | はい、PDF形式での提出が可能です。 |
| 手順 | 経費システムの添付欄からPDFファイルをアップロードします。 |
| 補足 | 紙の領収書は原本保管が必要です。詳細は経理マニュアル参照。 |
| 更新日/担当者 | 2025年4月更新/経理部 鈴木 |
テンプレートを固定化することで、FAQ品質のばらつきを抑え、属人化を防ぐことができます。
特に、回答作成を複数部署で分担する場合は、ガイドラインとして文体・トーンも統一しておくと良いでしょう。
FAQを日常導線上に設置する
FAQは「存在しているだけ」では機能しません。利用者が自然にアクセスできる場所に常設し、探しに行かなくても出会えるFAQを目指す必要があります。
社内ポータル、Teams、Slack、イントラネットなど、社員が日常的に触れるツールにFAQへの導線を設けることがポイントです。特にTeamsでは、タブ固定やチャットボット連携によって、ユーザーが質問を投稿する流れの中でFAQを提示できます。
導線の設計では、「検索」「閲覧」「問い合わせ」の3つの動線をセットで配置すると効果的です。FAQを見ても解決しない場合に即座に問い合わせフォームへ遷移できるようにすると、ユーザー体験が途切れません。
利用データを定期的に見直し、「よく見られている項目」や「検索されていない項目」をチェックしながら、社員の動線に合わせて少しずつ改善していくのがコツです。
FAQが「使われる仕組み」をつくる3つの改善アプローチ
FAQは作って終わりのドキュメントではなく、育て続けるナレッジ資産です。導入当初は多くの企業で活用が進みますが、更新や評価が滞ると、数か月で利用率が急落するケースも少なくありません。
FAQを「使われ続ける仕組み」に変えるには、①継続的な更新体制、②情報構造の最適化、③利用者目線の評価と改善の3つの視点が欠かせません。
継続的な更新と運用体制を仕組み化する
FAQ運用の生命線は、更新の仕組み化にあります。どんなに優れたFAQでも、情報が古くなれば信頼を失います。
情シス部門が本来のコア業務(DX推進やIT戦略立案)と並行して、この「仕組み化」を維持し続けるのは容易ではありません。私たちのようなMSP(マネージドサービスプロバイダー)が社内ヘルプデスク業務全体を受託(BPO)する際は、まさにこの「FAQの運用・更新プロセス」を標準化されたITILベースの業務フローに組み込むことから着手します。
更新を人の意識に頼らず、プロセスとして埋めることが重要です。
FAQ管理者の明確化
FAQを運用する責任者や運用チームを明確にしましょう。たとえば、「問い合わせを受けた担当が回答を追記し、最終的に管理者が確認・承認する」といったフローを定義しておくと、放置を防ぐうえで効果的です。
FAQごとやカテゴリごとに管理責任者を明確すると効果的です。
定期的なレビューサイクルの設定
少なくとも四半期に一度はFAQの棚卸しやレビューを行い、古い情報や重複情報を削除・修正するなど、常に最新状態に保つことを心がけます。更新作業を定期スケジュールとして組み込むことで、無理なく継続できる体制を整備しましょう。
この際、以下のような指標を基準に更新優先度を判断しましょう。定例会議やダッシュボードで可視化すれば、更新業務が自然に定着します。
- 閲覧数
- 検索成功率
- 問い合わせ削減率
- 最終更新日
バージョン管理や更新履歴の明示
FAQの更新履歴やバージョン管理を分かりやすく表示することで、「この情報がいつ時点のものか」が社員に伝わりやすくなります。更新箇所をハイライト表示したり、「更新日」や「更新者」をFAQページに明記したりする方法が効果的です。
これにより改訂の透明性が保たれ、誤更新時のロールバックも容易になります。特に、SharePointやConfluenceなどのナレッジツールを利用すると、履歴管理と承認フローを自動化でき、属人化を防げます。
情報構造とナレッジ管理を最適化する
FAQを単なる質問集に留めず、ナレッジマネジメントの一部として運用する視点が重要です。FAQは組織内の「知の循環点」であり、情報構造・分類・書き方・ツールが連動してこそ価値を発揮します。
質問カテゴリー分けとタグ設計を見直す
FAQを使いやすくするため、質問をカテゴリーごとに分類し、必要に応じてタグを付与することが大切です。
たとえば「製品機能」「社内システム」「経費精算」「人事制度」などの大項目で分け、さらにタグ検索にも対応すれば、利用者が求める情報に素早くアクセスできるようになります。
また、FAQの分類やタグは定期的に見直しましょう。
検索ログを確認し、社員が実際に使っている言葉と分類が合っているかをチェックします。
たとえば「勤怠修正」と「タイムカード修正」が混在していたら、統一するだけで検索結果が改善されます。
FAQの書き方を標準化する
質問と回答の書き方をテンプレート化・ガイドライン化することでFAQの品質が安定します。
FAQを複数人で執筆・更新する場合、表現や文体にばらつきが生じやすいものです。統一ガイドラインを設け、「文体」「トーン」「語尾表現」「敬語の有無」などを明文化します。たとえば、「〜してください」で統一するだけでも全体の統一感が増し、読みやすさが向上します。
また、操作画面のスクリーンショットや動画説明など、ビジュアルを活用するフォーマットを標準化しておくと、利用者にとって理解しやすいFAQが作りやすくなります。
ナレッジマネジメントツールを活用する
FAQ管理には、ExcelやGoogleスプレッドシートのような汎用ツールでも始められますが、規模が拡大すれば専用ツールの導入が効果的です。
クラウド型のナレッジマネジメントツールやFAQプラットフォームを利用すれば、FAQの作成・検索機能のほか、アクセス解析やフィードバック機能も充実している場合が多いです。
どの質問がよく閲覧されているか、どんなキーワード検索が多いかなどを可視化し、改善サイクルを回しやすくなります。
利用者目線で評価・改善を繰り返す
FAQの良し悪しを決めるのは、作った側ではなく使う側の社員です。だからこそ、利用者の声を集めて、改善のサイクルを回すことが大切です。
ユーザーアンケートやインタビューを実施する
最も効果的なのは、FAQを利用する社員に直接声を聞くことです。
定期的にユーザーインタビューやアンケートを行い、「どの情報が足りないのか」「どこが分かりにくいのか」を把握しましょう。頻出するリクエストを優先的に反映することで、利用者満足度を高められます。
アクセス解析や検索ログで課題を特定する
FAQをシステム上で提供している場合は、アクセス解析や検索ログを分析することでユーザーの実際の検索行動を把握できます。
検索件数が多いのに回答ページへの遷移が少ない質問があれば、回答が存在しないか、回答が見つけにくい構成になっている可能性があります。こうしたデータを活用して改善を重ねましょう。
またFAQページに満足度アンケートや簡易評価ボタン(👍👎など)を設置すると、スピード感のある改善ができます。FAQの間違いをユーザーに見つけてもらうという効果もあります。
利用実績を可視化し社内で共有する
FAQがどのくらい利用されているかを社内で共有することも重要です。たとえば、「先月FAQを利用して解決した件数が○件」「FAQ利用率が○%向上した」といった数値を定期的に公開することで、社内のモチベーション向上や改善意識の醸成につながります。
FAQ運用を継続改善するための指標設計
FAQを長く運用していくと、きちんと成果が出ているかを測りたくなります。
しかし、感覚や雰囲気で評価していると、改善の方向性が曖昧になり、効果検証ができません。FAQはナレッジ運用の一部として、定量的に成果を把握する仕組み(KPI設計)を持つことが不可欠です。
とくにどの指標を、どの周期で、誰がモニタリングするかを明確にすることで、改善サイクルを止めずに継続運用できます。
以下では、指標設計の基本と定期レビューの仕組みづくりを具体的に解説します。
主要KPIを定義し正しく測定する
まずは、社内FAQでよく使われる代表的な指標を紹介します。
どれも「使われ方」と「効果」を客観的に把握するためのものです。
| 指標 | 内容 | 改善に活かすポイント |
|---|---|---|
| 検索成功率 | 検索で目的の回答が見つかった割合 | 検索ワードとヒット記事の関連性を改善する |
| 自己解決率 | FAQ閲覧後に問い合わせせずに解決できた割合 | 記事の内容・構成の妥当性を測る主要指標 |
| 一次応答削減率 | 問い合わせ件数のうち、FAQ化により削減できた割合 | FAQの運用効果を経営層に示す |
| 未ヒット率 | 検索しても回答が見つからなかった割合 | 新規FAQ作成や分類見直しの判断に使う |
| 更新率/閲覧率 | 更新頻度や記事ごとのアクセス状況 | 更新サイクルや導線設計の健全性を確認する |
たとえば、「検索成功率が60%」という数字が出たら、残りの40%は「見つけられなかった」ことになります。検索語と記事タイトルを照らし合わせてみると、使われている言葉のズレや不足が見えてきます。
こうしたKPIを毎月チェックするだけでも、改善の方向がはっきりします。
定期レビューで改善を習慣化する
KPIを定めても、レビューが行われなければ形骸化します。FAQ運用を継続改善するには。定例レビューを業務プロセスに組み込むことが鍵です。
具体的には、次のようなサイクルが推奨されます。
- 月次レビュー: アクセス数・未ヒット率・更新率を確認し、優先改善箇所を洗い出す
- 四半期レビュー: KPIのトレンドを分析し、FAQ構造や分類体系を再設計
- 半期報告: 経営層・関係部門へ改善成果(問い合わせ削減率など)を報告
レビュー時は、単なる数値確認ではなく「行動を伴う改善提案」が重要です。
たとえば、未ヒット率が高い場合は新しいFAQを追加、検索成功率が低い場合はタグやタイトルの見直しを実施します。
また、改善結果を社内に共有・可視化することで、運用チーム外の社員にも「FAQは改善されている」という安心感を与え、利用定着が進みます。
チーム全体で改善意識を持つ仕組みをつくる
FAQ運用は情シスや人事部門だけの仕事ではなく、全社員が参加するナレッジ文化の一部として根づかせることが重要です。
そのためには、改善活動をチームで共有し、成功体験を可視化することが効果的です。
たとえば、社内ポータルに「FAQ改善ダッシュボード」を常設し、主要KPI(検索成功率・未ヒット率・更新率)をリアルタイムで表示します。また、FAQの改善提案を行った社員を表彰したり、月次レポートで成果を共有することで、FAQに自分ごと感を持つ文化が醸成されます。
加えて、改善活動を年間計画に組み込み、「FAQ改善会議」や「ナレッジ共有会」として定例化するのも有効です。これにより、FAQ運用が単発の施策でなく、組織に根づいた継続活動になります。
無料・身近なツールで始める社内FAQ構築
社内FAQの導入というと「専用システムが必要」と思われがちですが、実際にはExcel・Google・Office365・Teamsなど身近なツールだけでも十分に構築可能です。
重要なのは、機能の多さではなく「誰でも更新できる簡便さ」と「利用者が迷わない導線設計」です。
ここでは、ツールを組み合わせて低コスト・高運用性を実現する実践例を紹介します。
ExcelとSharePointでFAQを作成・共有する
Microsoft 365環境を利用している企業であれば、Excel×SharePoint構成が最も手軽で効果的です。
①ExcelでFAQ一覧を作る
質問、回答、カテゴリ、更新日、担当者などを表形式で整理します。Excelのフィルタ機能を使えば、「カテゴリ別」「更新日順」にすぐ並べ替え可能です。
②SharePointにアップロードする
閲覧権限と編集権限を分け、社員はWebブラウザからFAQを見られるようにします。
リスト表示機能を使えば、カード形式での表示も可能です。
③Power Automateで更新を自動リマインド
「最終更新日から90日経ったら担当者に通知」といったフローを設定しておくと、更新漏れを防げます。
Excelで管理、SharePointで共有、Power Automateで更新チェック。この3つを組み合わせるだけで、最小限の運用コストで社内FAQ構築を開始することができます。
GoogleスプレッドシートとサイトでFAQを公開する
Google Workspace環境では、スプレッドシート×Googleサイトの組み合わせが便利です。
コーディング不要で、軽量かつ更新が簡単なFAQポータルを構築できます。
- スプレッドシートでFAQ台帳を管理
- Excelと同様の形式でFAQ一覧をスプレッドシートに作成します。Googleの共有機能により、複数人で同時編集が可能です。また、コメント機能を利用すれば「更新提案」や「確認依頼」を簡単に残せます。
- Googleサイトで閲覧ページを作成
- スプレッドシートの内容をGoogleサイトに埋め込み、カテゴリごとにFAQページを構成します。アクセス権限を「社内のみに限定」することで、安全に公開できます。
AppSheetでスマートフォン対応を実現
さらにGoogleのノーコードツール「AppSheet」を活用すれば、FAQをスマートフォンから閲覧・更新できる環境を構築できます。
現場スタッフが出先からFAQを確認・修正できるため、現場主導の改善サイクルを促せます。
TeamsにFAQを常設して問い合わせを減らす
日常的にTeamsを使う企業では、FAQをTeams上に常設するのが最も自然な導線設計です。FAQをTeamsタブやチャットボットとして埋め込むことで、社員は「質問を送る前にFAQを参照」できるようになります。
Teams内にFAQがあると、わざわざ別サイトを開かなくても答えが見つかるため、質問前に自己解決が自然に起こります。
問い合わせ件数を減らしながら、社員の生産性を上げられるのがこの方法の魅力です。
生成AIとチャットボットでFAQ運用を進化させる
近年、生成AI(ChatGPTなど)や社内チャットボットを活用してFAQ運用を自動化・高度化する企業が増えています。
AIは質問の意図を理解して適切な回答を提示できるため、従来の「検索して探す」FAQから「聞けば返ってくる」FAQへと進化しつつあります。
ただし、AIは魔法のツールではなく、人の運用・データ品質・監査体制を前提とした補助ツールとして活用することが重要です。
生成AIを活用したFAQの最新動向
生成AIを組み込んだFAQ運用は、ここ1〜2年で急速に進化しています。
ユーザーが問い合わせ履歴やドキュメント、チャットログなどの膨大なテキストデータを学習させることで、AIが自動的にFAQの候補や回答のドラフトを生成する仕組みが整いつつあります。
このようなAI支援型FAQシステムの利点としては、以下の点が挙げられます。
- 作成・更新コストの削減
- 人手でゼロからFAQを作る手間が大幅に減る。
- 質問パターンの網羅性向上
- 大量の問い合わせログから、よくある質問を網羅的に抽出可能。
- 回答の自動提案機能
- ユーザーの入力内容に応じてAIが回答候補を提案し、ナレッジ拡充に活かせる。
一方で、これらの機能を導入したとしても、完全に自動化するのはまだ難しいのが現状です。
生成AIが誤った回答を提示するリスクや、専門用語や社内独自の文脈をどれだけ正確に理解できるかといった課題が残されています。
AIの実用的な活用方法を理解する
AIをFAQ運用の代替手段ではなく、補完ツールとして位置づけることがポイントです。
完全な自動応答よりも、AIが人間の作業を支援する領域から導入することで、効果を最大化できます。
▪️代表的な活用例
| 類似質問の抽出 | FAQデータをAIに学習させると、質問文の揺れ(例:「パスワード変更」と「ログインできない」)を自動で紐づけて整理できます。 |
| 回答文の要約支援 | 過去の回答履歴を要約し、簡潔で読みやすい回答文を提案。執筆者の負担を軽減します。 |
| チャットボットとの連携 | FAQをAIチャットボットと連携させることで、自然な会話での検索・回答が可能になります。TeamsやSlack上での自動応答も実装可能です。 |
| 利用データの分析・レポート化 | AIにより、FAQの閲覧傾向や未解決質問を自動で分析し、改善提案を生成することも可能です。 |
これらはすべて、「AI×人」の協働を前提とした導入設計です。AIが支援し、人が最終判断を下すことで、高品質かつ安全なFAQ運用を実現できます。FAQ品質=データ品質×承認プロセス として運用に埋め込んでください。
今後の予測と可能性
生成AI技術は加速度的に進化しており、今後さらにFAQ作成・運用への適用範囲が広がると期待されています。たとえば、
- リアルタイム学習
- 社内チャットの内容や問い合わせ履歴を随時学習し、FAQを自動更新する仕組み。
- 文脈理解の高度化
- ユーザーが入力した質問の意図や状況をより深く理解し、適切な回答を高精度で生成。
- 多言語対応
- 海外支社やグローバルチーム向けに、多言語FAQを自動生成・翻訳する機能の向上。
こうした発展に伴い、FAQが「単なるよくある質問集」ではなく、組織内の知識をリアルタイムで反映するインテリジェントな情報基盤へと進化していくことが期待されます。
AI導入時に注意すべき課題とリスク
AIを社内FAQに導入する際には、利便性と同時にリスクマネジメントが重要です。
特に生成AIは誤情報を出力する可能性があり、社内情報の正確性を損なう危険性があります。
また、入力データに機密情報が含まれる場合、情報漏えいリスクにも注意が必要です。
情報の正確性とファクトチェック
生成AIは大量のデータから推測を行うため、事実に基づかない回答を出す「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」が起こる可能性があります。FAQとして提示する情報が誤っていると、社内の混乱や信用低下につながるため、人間によるファクトチェックや承認プロセスは引き続き重要となります。
セキュリティとプライバシー管理
AIモデルに学習させるために提供するデータが、機密情報や個人情報を含む場合があります。これらのデータが外部のクラウドにアップロードされる際のセキュリティリスクや、モデルへの学習内容が外部に流出するリスクなどにも注意が必要です。
導入・運用コストとスキル要件
高度なAI技術を扱うためには、AIモデルのチューニングや運用を担当できる人材やベンダーが必要です。初期導入コストや継続的な運用コストを正しく見積もり、自社のFAQ運用規模とのバランスを取ることが求められます。
「とりあえずAIを導入すればいい」という安易な考えではなく、現場のニーズや既存フローとの整合性を検討しながら計画的に導入すべきでしょう。
運用規模に応じたツール移行と拡張の判断基準
社内FAQは、最初はExcelやGoogleスプレッドシートで十分に運用できます。
しかし、FAQが数百件規模に増えたり、更新頻度・利用者数が多くなると、手動管理の限界が見えてきます。
その段階で検討すべきなのが、FAQ専用システムやナレッジマネジメントツールへの移行です。
重要なのは、導入を急ぐことではなく、「いつ・どの基準で・どの段階へ移るか」を明確にしておくことです。
移行を検討すべきタイミングを見極める
FAQの規模拡大とともに、Excelやスプレッドシート運用には次のような課題が現れます。
- データ量が増えすぎて検索やフィルタが遅くなる
- 更新履歴や担当者情報の追跡が困難になる
- カテゴリやタグの整合性が崩れ、重複FAQが増える
- アクセス権限の管理や共有設定が煩雑になる
一般的に、FAQ件数が300件を超えた時点で、手動運用のメンテナンスコストが跳ね上がります。さらに、FAQを利用する社員が数百人規模に達すると、検索の遅延や誤更新が業務リスクとなります。
移行を検討すべきシグナルは、次の3つです。
- 更新頻度が高まり、手動更新が追いつかない
- FAQ数が増加し、検索性・分類性が低下している
- 利用者から「探しづらい」「古い情報が多い」という声が増えている
これらが同時に起き始めたら、専用ツールへの移行を具体的に検討すべきタイミングです。
ただし、いきなり全体移行せず、まずは1部門・1カテゴリで試験導入(PoC)を行い、機能や運用負荷を検証するのが安全です。
ツール導入のプロセスと次のアクション
FAQシステムの導入は、単なるツール選定ではなく「FAQ運用プロセスの再設計」です。
導入を成功させるには、次のステップを段階的に進めることが重要です。
ステップ1:要件定義
まず、現状の課題を整理し、「どの機能が必要か」を明確にします。
たとえば以下のように目的と機能を紐づけて整理します。
| 課題 | 必要な機能例 |
|---|---|
| 更新漏れが多い | ワークフロー承認・リマインド通知 |
| 検索に時間がかかる | タグ検索・全文検索・同義語登録 |
| 改訂履歴が不明 | バージョン管理・履歴追跡 |
| 利用率を把握できない | アクセス解析・ダッシュボード |
この段階で、関係部署(人事・総務・情シスなど)を巻き込み、全体最適の視点で要件を定義します。
ステップ2:試験運用(PoC)
候補ツールを2〜3製品に絞り、30〜60日間のトライアル運用を行います。実際にFAQを登録・検索・更新してみることで、操作性・自動化レベル・権限管理のしやすさを比較できます。
このフェーズで、FAQ担当者・利用者双方のフィードバックを収集し、導入可否を判断します。
ステップ3:本格導入と定着化
本導入後は、既存FAQデータの移行を行い、運用ルールを再設定します。
移行時の注意点として、古いFAQをそのまま移行しないことが重要です。閲覧数ゼロや最終更新が1年以上前のFAQは削除・統合し、データクレンジングを経てクリーンな状態でスタートします。
また、導入直後はFAQ利用トレーニングや説明会を実施し、社員の利用習慣を定着させましょう。
ツール移行後に意識すべき拡張フェーズ
FAQツールを導入した後は、運用の成熟度に応じて、AI連携・分析機能・ナレッジ統合へ段階的に拡張することが望まれます。
- AI連携:生成AIを組み込み、自然文応答・自動タグ付けを実装
- 分析高度化:アクセスデータから未解決領域を自動抽出し、改善提案を生成
- ナレッジ統合:マニュアル・ガイドライン・社内wikiとFAQを連携し、検索を一元化
これにより、FAQは単なる問い合わせ削減ツールではなく、組織のナレッジハブとして機能します。
まとめ
本記事では、「社内FAQが役に立たない理由3選」と題して、以下のポイントを中心に解説してきました。
- 情報の更新が滞っている
- 作りっぱなしで放置され、古い情報が放置されると社内で信用を失う。
- 質問と回答の構成が不十分
- 質問の意図が曖昧、専門用語だらけで分かりづらいFAQは使われない。
- ユーザー視点に基づいていない
- 管理者都合のFAQになりがちで、本当に必要な情報が載っていない。
これらを改善するには、継続的な情報アップデートと管理体制の構築、FAQ構造の見直しとナレッジマネジメントの仕組み化、 利用者目線のコンテンツづくりと効果測定が不可欠です。
さらに、昨今注目されている生成AIを活用したFAQの自動作成・運用には大きな可能性がある一方、情報の正確性やセキュリティ、導入コストなどの課題をクリアする必要があります。今後はより高度な文脈理解やリアルタイム学習、多言語対応などが進むと予想されますが、その利便性とリスクを適切に管理するための仕組みづくりが企業には求められるでしょう。
FAQは、作った瞬間から“古くなる”宿命を抱えています。どれほど充実させても、問い合わせがゼロになることはありません。むしろ、直接のやり取りがあるからこそ、新たに追加すべき質問や視点が見えてくるのです。結局、人と人とのコミュニケーションは大切な情報の源泉であり、FAQの更新を絶やさないエンジンでもあります。
もし、貴社の情報システム部門が「FAQの運用」や「日々の問い合わせ対応」そのものにリソースを奪われ、本来注力すべき戦略的なIT企画やDX推進に着手できずにいるならば、それはFAQという「点」の問題ではなく、ヘルプデスク業務全体の「プロセス」の問題かもしれません。
ReSMでは、50年以上のSIer経験と運用実績に基づき、社内ヘルプデスク業務全体のアウトソーシング(BPO)を支援しています。FAQの運用改善はもちろん、生成AIを使ったAIヘルプデスクの導入など、情シス部門の皆様がコア業務に集中できる環境づくりからご提案します。
社内ヘルプデスクは、情シス業務の中でも「止められない・減らせない」仕事
PCトラブルの一次対応、アカウント管理、社内ツールの利用方法に関する質問……。社内ヘルプデスクは、緊急性が高く属人化しやすい業務の代表例です。一件ごとの対応は軽微でも、積み重なれば情シスの時間と集中力を奪ってきます。
多くの企業では、FAQの整備や手順書の作成など、自力で問い合わせを減らす努力を重ねてきたはずです。しかし、結局いつも同じ質問が来て、本質的な負担軽減につながっていないと感じていないでしょうか。
問い合わせ数の削減を目指す社内ヘルプデスク代行サービス「ReSM plus リズムプラス」
ReSMplusは単なる代行ではなく、社内から問い合わせそのものを減らすことを目指すヘルプデスク支援サービスです。属人化やリソース不足に悩む情シス業務を構造的に見直し、「場当たり対応」から「再発防止型対応」への転換を支援します。
数ある社内ヘルプデスクサービスの中でも、ReSMplusが選ばれる理由は大きく分けて以下の3つです。
- 問い合わせ代行で終わらず、貴社だけのナレッジ資産をつくる
- SIerとして実績豊富なDTSが運営し、ITサポート経験が豊富なオペレーターが一括対応
- パスワード初期化やアカウント作成といった問い合わせの発生源ごと巻き取る
それぞれの特徴についてご紹介していきます。
問い合わせ代行で終わらず、貴社だけのナレッジ資産を作る

単に来た問い合わせに対応するのではなく、繰り返される質問を仕組みで減らすことを重視しています。
FAQの整備や定型ナレッジの蓄積、問い合わせ傾向の可視化を通じて、再発防止型の対応体制を構築します。属人対応に頼らない「仕組みのITサポート」へと進化させます。
SIerとして実績豊富なDTSが運営し、ITサポート経験が豊富なオペレーターが一括対応
ReSM plusは、SIerとして数多くのITインフラ支援を手がけてきたDTSが運営しています。
その実績に裏打ちされたITリテラシーの高いオペレーターが、メール・電話・などウェブ問い合わせフォームなど複数チャネルでの一括対応を実現。「話が通じるオペレーターが対応してくれる安心感」が、多くの企業から支持されています。
パスワード初期化やアカウント作成といった問い合わせの発生源ごと巻き取る

PCセットアップやアカウント発行、IT資産管理…
こうした問い合わせを生む原因そのものを巻き取ることで、対応件数を根本から減らす設計が可能です。業務フローの一部をReSM plusに預けることで、情シスの予防的な働き方を支援します。
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