システム運用のアウトソーシングを検討する際の観点はどんなものがありますか?

システムの開発が完了し無事リリースを迎えると、開発期間よりはるかに長い運用期間がはじまります。システムの品質を維持し続ける事は非常に負荷が高く、かつ専門的なスキルが必要となり、選択肢としてシステム運用のアウトソーシングを検討するケースも多いようです。では、アウトソーシングを検討するにあたっての主な観点や、導入の判断基準はどのようなものがあるでしょうか。
大原則は、「自社が注力すべき業務なのか?」
自社ビジネスのコアであり価値の創出に直結する業務は、社内で管理してさらなる価値創出とナレッジの蓄積に努めるのが望ましいでしょう。例えばwebサービスの継続的な企画・開発など、マーケットと対話し常に改善を要求されるような業務は、まさに自社リソースで勝負をかける分野です。逆に、そうでない業務についてはアウトソーシングを検討する対象となります。アウトソーシングによって空いたリソースをコア業務に投入し、さらなるビジネス価値の向上をはかるのが原則的な考え方となります。
コストと品質の最適バランスを考える
コストの面で考えると、そもそも自社で適正なシステム運用体制を維持できるかという観点があります。昨今のシステムは24時間365日でのサービス提供が増えており、すべての時間帯を自社でケアすると非常に大きなコストが発生します。システム規模によっては、まるで現実的ではないコストとなりますので、アウトソーシングによるコストの適正化が効果的です。
中には休日夜間は担当者が持ち回りで障害連絡への備えをしておくなど、コストを気にするあまり体制的に無理をしているケースも見られます。こうした場合でも、休日夜間のみの運用監視アウトソーシングを利用するなど、適正な体制とコストを検討する必要があります。
また、適切な運用品質の維持も観点のひとつです。これは高すぎる品質についてもいえます。例えばすでにシステムが安定していて障害も少なく、ワークアラウンドも充実しているケースです。このような状況にも関わらず、多くの人員で運用を回している場合は、例えば監視の部分をアウトソーシングすることで、運用品質を維持したまま多くのコスト削減が見込めます。
運用品質の安定的な確保
一方、システム運用のリソースが足りない、運用への考慮が開発フェイズで不足していたために運用での対処が多く発生しているなど、運用品質が低い場合でもアウトソーシングは効果的な場合が多いです。アウトソーシング先の豊富なノウハウを利用して運用の効率化をはかることで、品質を維持向上しつつトータルコストの削減が期待できます。運用適正化による社内対応の削減分とアウトソーシング先へ支払う金額を天秤にかけ、メリットが見込めるようであれば充分に検討する余地があります。
アウトソーシング業者はシステム運用を専門として、豊富なノウハウを持っています。またセンター集約などにより自社内製と比較して少ないコストで運用体制を構築できることが多いです。アウトソーシングを検討する際は、上記のような観点を加味しつつ、信頼できる業者を選択して頂ければと思います。
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