テレワークで増加!社内ヘルプデスクの負担を減らす効率化のポイント

テレワークの普及にともない、社内ヘルプデスクの業務負担の増加に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
ヘルプデスクを担う情報システム部や総務などの部門では、自宅で仕事をしている社員からの問い合わせ対応が増えて「通常業務を圧迫している」という話も、よく耳にします。
働き方のカタチが変化するいま、社内ヘルプデスクも効率化や業務改善を進めていく必要があります。テレワーク社会に順応するための社内ヘルプデスクのあり方について、考えてみましょう。

社内ヘルプデスクとは

社内ヘルプデスクの業務改善を進めるには、まず業務内容を把握するところから始めます。

社内ヘルプデスクとは、社内のITなどに関する問い合わせ窓口としてユーザーをサポートするのが大きな役割です。
「パソコンが動かない」「社内システムに入れなくなった」などの質問やトラブルに対処し、リモート操作で解決したり新たなID・パスワードを発行したりと、ユーザーが円滑に業務を進められるよう支援するのが主な仕事です。
問い合わせ窓口としての業務だけでなく、業務で活用するシステムやソフトウェアの管理、サーバーの構築、セキュリティ環境の整備なども社内ヘルプデスクが担う場合があります。

一般的に社内ヘルプデスクを担うのは、情報システム部です。
大企業などでは、情報システム部のなかでヘルプデスクの担当部署を設置しているところもありますが、人手の少ない企業だと情報システム部門の中でも社内SEが暫定的に対応している場合や、情報システム部門がないため総務部などのスタッフ部門が通常業務と並行しながら「手の空いた誰かが担当している」という会社も少なくないでしょう。

なお、ヘルプデスクには社内ヘルプデスク以外に社外ヘルプデスクもあります。
『社内ヘルプデスク』と『社外ヘルプデスク』の違いが知りたい方は、ぜひこちらの記事もあわせてお読み下さい。

テレワーク導入で社内ヘルプデスクの負担が増大

このように社内ヘルプデスクの業務は多岐にわたり、ユーザーが使うシステムが多くなるほど業務量が増えることになります。
テレワークの導入で社内ヘルプデスクの負担が増大したのも、これが一因です。

テレワークを導入するには、まず社外から社内システムにアクセスできるよう環境を作る必要があります。
新型コロナウィルスの影響でテレワークを導入した企業のなかには、外部からのアクセスに関するシステムについて十分に検討をする時間がなく、とりあえず導入したというところも少なくないでしょう。
そうすると、導入後にユーザーから「社内システムにつながらない」「パフォーマンスが悪くて使えない」などの問い合わせが社内ヘルプデスクに殺到します。

さらに、テレワークを始めるにはWeb会議システムやチャットなど社員がコミュニケーションを取るための新たなツールも導入しなければなりません。
導入すると今度は、「使い方がわからない」などの問い合わせが社内ヘルプデスクに押し寄せます。

オフィスでみんな一緒に働いているときであれば、使い方がわからなくても隣のわかっている人に聞くなど部署内で解決できたことが、テレワークになるとその相手が情報システム部門に変わるのです。
ITの導入により、業務効率化が進むことは企業にとっては喜ばしいことですが、その一方で働き方の急激な変化が社内ヘルプデスクに大きな負担をかけることになっています。

社内ヘルプデスクを効率化する方法

社内ヘルプデスクの業務を軽減させるには、ツールやシステムを活用するすべてのユーザーのITリテラシーを向上させ、自ら解決できるよう促すことが一手です。
それと同時に、ユーザーからの問い合わせがゼロになることはありませんので、社内ヘルプデスクで効率的に対応できるしくみづくりを検討することも大切でしょう。
具体的には、以下の点を検討することで社内ヘルプデスク業務の効率化を図りやすくなります。

・FAQ検索で簡単な問い合わせを減らす
社員に自ら解決させようと、マニュアルを作成して配布している企業も多いと思います。しかし、マニュアルだとどこに解決策が掲載されているのかわからず、結局社内ヘルプデスクに問い合わせるケースも少なくないようです。ユーザーには、できるだけ早く解決したいという考えがありますから、使いづらいマニュアルは逆に社内ヘルプデスクの業務量を増やすおそれがあります。
そこで、使いやすいマニュアルとして「社内FAQ」を活用する方法があります。社内イントラなどに、社員からよくある質問やトラブル例とその解決策を掲載し、検索で探しやすくすることによって、社員が自力で解決できるようになります。また、自ら解決を求める姿勢になることで一人ひとりのITスキル・ITリテラシーの向上につながり、社内ヘルプデスクの業務負担の軽減が期待できます。
社内FAQを作成する際に大切なのは、「ユーザー目線でわかりやすく作ること」です。これはマニュアルにも言えることですが、FAQをつくっても目的のページにアクセスしにくかったり、専門用語が多くてユーザーが理解できなかったりするようでは、「ヘルプデスクへ聞いたほうが早い」という考えになります。ITリテラシーが高くない人でもわかりやすい画面構成や文章で、自らの力で解決に導けるよう心がけましょう。

・チャットボットなどのITツールを導入する
「マニュアルもFAQも、時間がかかって使いにくい」というユーザーが多い組織であれば、さらに迅速かつ簡単に使えるITツールを導入するのも一手です。たとえば、チャットで問い合わせると自動で返答してくれる「チャットボット」などのツールも効果が期待できるでしょう。
チャットボットも、想定される質問と回答をあらかじめ登録しておき、ユーザーが検索して自ら解決するためのツールです。いつ問い合わせても即座に回答が提示されますから、社内ヘルプデスクの大幅な業務負担の軽減が期待できます。

・蓄積されたノウハウを共有する
社内ヘルプデスクの業務には、システムのトラブル対応やメンテナンス、セキュリティ対策など、専門的な知識やスキルだけでなく経験・ノウハウが求められる場面もあります。業務内容が専門的になるほど特定の担当者に業務が偏り、問い合わせ対応の属人化が進んでいるヘルプデスクも少なくありません。
社内ヘルプデスクを円滑に進めるには、担当者以外でもスムーズに対応できるよう、組織全員で知識やノウハウを共有するしくみづくりも必要です。たとえば、問い合わせ内容と対応した内容を社内ヘルプデスクの全員が閲覧できるようにしておき、次に似たような問い合わせがあったら誰でも対応できるようにすることで、属人化の解消につながります。
また、対応が長期化する案件については進捗状況をリアルタイムで確認できるようにしておくと、担当者が不在の場合でも誰かが対応できるようになり、課題の早期解決も見込めます。

・定期的に振り返り改善を続ける
FAQにせよ、チャットボットにせよ、導入すればよいというわけではありません。ツールやシステムを使っているのは人ですから、新たな疑問や質問が生まれることがありますし、その都度改善策を検討し直す必要も出てくるでしょう。
たとえば、「FAQの内容が参考にならない」というユーザーの声が挙がったら、なぜ参考にならないのかを社内ヘルプデスク内で協議し、解決法を見直す必要があります。また、FAQを改善しても同じ問い合わせがいつまでも続く場合は、もしかすると企業や組織が抱える根本的な課題に原因があるのかもしれません。
一時的な解決策を案内するだけでなく、社内ヘルプデスクでの振り返りを通して根本的な原因を解決するための方策を検討することも、業務効率化を進めるうえで重要なポイントになります。

まとめ

働き方改革の一環で、テレワークの本格的な導入を検討されている企業は増えています。しかし、トップダウンで強引に進めると、どこかにしわ寄せが生じるリスクもあります。
社内ヘルプデスクを担当する情報システム部門の業務量が増えることも、そのひとつです。

テレワークを導入する際には、社内ヘルプデスクにどのような課題が生まれるのか、それを解決する手段は何かを一緒に検討し、全社員が業務効率化の恩恵が受けられるしくみづくりを考えることも、働き方改革に求められる要件ではないでしょうか。

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